400mハードルの歩数パターンの変更のタイミング
400mハードルのレース後半、特に5台目からは、減速を抑え、カーブでの左右のハードリングを選択し、速度を維持することがポイントです。
レース後半はセパレートコースでありながら競争相手との距離も縮まり、リズムを保つことが難しくなります。これをクリアするためには、歩数を増やす際に速度を維持する技術やスタミナを無駄なく使うことが必要です。
5台目から8台目では、カーブのハードリングで、レースの内側を継続して走れる右足踏み切りが有利です。しかし、歩数を増やさざるを得ない選手がほとんどなので、左足踏み切りも習得しておくことが大切です。
歩数が増えた際に速度を維持するためには、高いピッチでスタミナを使わないスムーズな脚の動きが必要です。
歩数を増やすインターバル区間では、速度を落とさないように、ブレーキをかけないように脚を回して歩数を増やしていく技術が後半のレースで有利になるでしょう。
また、10台目を越えてからゴールまでの40mは選手にとって非常に長い区間です。この区間での順位の入れ替わりが大きく、自分のスタミナをうまく使い切れているかが試されます。
レベルが上がるほど、この区間をイメージして、その日の体調や天候などによりレースパターンや歩数を決定してエネルギーを使い切る戦略を練ることが求められます。後半でのレースはここで決まります。
どちらの歩数パターンでも、技術と調整能力を磨くこと、再加速できるパワーと筋持久力の向上が最大の武器になります。
実際、スタミナから考えてみると、100m、200m、110mハードルが得意な選手は前半型、400mや800mが得意な選手は後半型になります。
どちらのタイプでも、8台目後のタイムで全体のレースを評価することが重要です。疲労が蓄積し歩数が増加する中での終盤のタイムは、後半の走り方やスタミナの問題が顕著に現れます。
8台目までの予定歩数で走り、8台目以降の走り方はトレーニングの方向性(ハードルの歩数パターンの変更など)の手掛かりになるはずです。
いずれにしても、400mハードルで結果を出すには、スプリント技術の向上、スタミナの補強、左右のハードリング技術向上と速度低下のないスプリント技術の習得に焦点を当てることで、400mハードルの記録向上につながります。
冷静な戦略とリズムを保ちながら、自分のエネルギーをゴールまで使い切るイメージを持ち、後半の競技相手との中で競り合い、最後まで力強く駆け抜けることが記録を伸ばす鍵です。
なお、ハードル上達革命では、歩数のチェンジにも焦点を置いた練習方法も紹介してあります。自分の課題と練習法がわかれば、シーズンオフ期にしっかり取り組むことで記録が一気に伸びる可能性があります。
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